花のいのち / 立原正秋

花のいのち (新潮文庫)

花のいのち (新潮文庫)

これも大好き。一人娘を残して離婚した窈子が、自身で始めた旅館で、兄の紹介により美術作家の織部と出会う。二人は愛を育んでいくんだけど・・・お互いの文化がとてもよい。俗臭を唾棄する強さをもつ「冬のかたみに」の深津ほどではないけれど、たしかな目とそぎ落とされた生き方がとても素敵だ。今のとしだから読んでわかることが多く感じられ、としをとるのも悪くないと思った。大人の恋もいいものです。