ラジオ深夜便こころのエッセー / NHKサービスセンター

いま入院している叔母も大好きで、私も深夜どれだけ声に救われたかしれない番組、ラジオ深夜便のエッセイ本。予想以上に読む時間がかかってしまった。理由はひとつ。いい意味で、それぞれのエッセイが濃いからだ。投稿者は高齢の方が多いのだけど、何十年経っても忘れられないこと、申し訳なく思っていること、こころにひっかかっていること、ひとりひとりにたくさんの逸話があり、その一端を覗かせて頂いた感が残った。
とりわけ印象的なのは、義父と駅で待っている間、子をあやす子供を見て、義父に「わたしもそうでした」と回想するお話。暖かい義父との関係のなかに、光をみるような気がした。何故か分からないけれど、心の中でこうべを垂れた。