ひとかげ / よしもとばなな

ひとかげ

ひとかげ

「とかげ」のリメイク版「ひとかげ」。なんか、ものすごく、たしかな感じ。まわりのことや二人の想いが輪郭をおびていて、「ぐっぐっ」と入ってくる感じ。「呪い殺す」って実際あることだ。その後、自責の念にさいなまれつづけるとかげが、とてもとても切なく痛かった。切なくて、悲しくて、透明で。とかげが彼と出会えてよかったと、どうでもいいところで感心した。確かに「とかげ」よりもよかった。