今を生きる女子修道会 / 女子パウロ会

現代社会への挑戦 今を生きる女子修道会

現代社会への挑戦 今を生きる女子修道会

この本に紹介されているたくさんの修道会以外にも、日本にはもっとたくさんのそれがあるんだろう。会はちがえど、神の愛を体現するという意味では同じかたがた。教会はどこへ行っても、いつでも受け入れてくれるあたたかさがある。そこを心の拠り所とするひとたちはもっと沢山いる訳で、世知辛い世の中でもまだまだ生きていけそう。そんなきもちになるのは私だけではないだろう。
この本で印象深いのは加藤宗哉さんのコラムで紹介されていた、あるシスター。結婚後6ヶ月で病死する夫が死ぬ間際「いいですか、君はこれから自由です、それを今ここで約束してほしい。それでなければ僕は死んでいけない。」彼女はそれを夫に約束した。夫は亡くなる。その後彼女は職を探し、一人暮らしを始める。途中、縁談話もあった。受けようか迷ったが、断った。彼女は決意する。夫を超えるひととだったら結婚しよう。でも。六ヶ月のすばらしい思い出しかない夫と相手とを、自分は比べてしまうのではないか。たくさん悩んだ末、彼女は結婚する。「それが、いたのですよ。」彼女は修道女になった。