人生おいしゅうございます / 岸朝子

TVや本を通じて知る岸さんの半生を綴った本。お子さんや旦那さんに先立たれたり、多忙な生活の中で子育てなさったりと、長い人生と等しい岸さんの物語がある。けれど基本的に「なんくるないさー」と明るく過ごす人生って、マジ素敵かも。
そして、ちいさなひとことにもお料理への愛情が感じられるお姿は、本を読んでも相違ない。世の中「グルメ」という言葉は一般的になったけど、味さえよければいい訳ではない。ホスピタリティなどいろいろな要素はあるものの、基本的には自分や家族の健康が大前提だ。おいしく頂くことは、よりよく生きること。人間は当たり前のことから忘れるらしい。殊に独居の身においては頂く楽しみすら考えずに済ませてしまうが、人生あと何回食事ができるかと思うと、たとえ一人ご飯であっても、美味しくありがたく頂きたいと思う。そしてもし家族がいたら、家族で食卓を囲んで味わう幸せを噛み締めたいと思う。
それにしてもだ!普通は年齢とともにお肉から離れていくが、岸さんは違う。まだまだステーキやトンカツを召し上がるところに、お肉パワーを見る。ベジタリアンもよし、普通に頂くもよし、選択できる自由は幸せだ。なんかメタクソな感想。