聖母マリア像の涙 / 安田貞治
- 作者: 安田貞治
- 出版社/メーカー: エンデルレ書店
- 発売日: 2001/10
- メディア: 単行本
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この本は、当時聖体奉仕会指導司祭だった安田貞治司祭が書かれたものだ。眉唾だと批判するひともいるだろうけど、本書は至極真面目な内容。当時耳が聞こえなくなったシスター笹川の診断書、流された涙の成分分析結果など、きちんと証拠として掲載されているのだ。
科学的根拠は大切かもしれないけれど、私は安田神父のお考えに激しく共感した。「現代の風潮では、宗教かでも神や仏をただ信じるというより、信仰の対象を学問のそれにように究明して、知的に把握することを重んじる傾向がある。(中略)研究して理解したことだけを信じるのでは、信仰といえるであろうか。」に象徴されるように、マスコミや世間、さらには同じ聖職者からの批判等にも会う。それでも安田神父は冷静さを失わず、さりとてどちらに依ることもなく、聖書や歴史・ご自分の素直な考えをできうる範囲で書いておられる。ただ、素直でひたむきに神に向かわれる方だからこその文章である。
そして当のシスター笹川は当時「特殊な精神異常者」とまで言われ、心身ともにぼろぼろであった。その心の傷は想像に難くない。安田神父のような方が身近におられたことはとても救いになったのではないだろうか。
しっかし同じ聖職者やシスターであっても、どうしてこんなにも忌み嫌う必要があろうか。知人とも話したが、総じて日本人は不思議な話は信じないらしい(お正月に初詣はしても!)。このマリア像の奇跡が、秋田という土地で起こったことも、意味があるのだろう。
ちなみにこのマリア像は現在、マリア庭園となって一般公開されている。私も近々行くつもり。車で・・・・。