チベット医学の世界 / 山本 哲士

チベット医学の世界

チベット医学の世界

近ごろダライ・ラマのお言葉「チベットでは、多くの病は愛情と慈悲心という薬で治るといいます。」がすごく分かるような気がする。昨今自分に起きた数々の怪我や病気(とても軽症だが)は、必ず霊的な何かが関係しているからだ。もちろん西洋医学も素晴らしいし恩恵に授かっているが、原因の大半は見えない何かがとても関係してるんだなーと思う。
本書はタイトル通り、チベット医学を紹介している。心と体との深い関係は納得しきり。・・・なのだが、冒頭から強烈すぎた。というのも、ダライラマの四人の侍医のお一人、テンジン・チョウダク侍医が受けた、二十有余年の過酷な労役・拷問があまりにもひどいからだ(ひどすぎて書けない)。言葉を失うほどのそれらを乗り越えていらしたのは、体温を上下させる瞑想法など、深く強い信仰心でもってチベット医学を深く修めておられる方だからなのだろう。チョウダク博士の章だけでも読むと、チベット医学の奥深さに触れることができる。いやーすごすぎ・・・。