もう殺さない -ブッダとテロリスト- / サティシュ・クマール, 加島牧史

もう殺さない-ブッダとテロリスト

もう殺さない-ブッダとテロリスト

仏教で昔から伝えられている、殺人鬼アングリマーラのお話。私が知っているのは「師から教わって殺人鬼になった」バージョンだけど、こちらの版は「不可触民の怒りから殺人鬼へ」。
殺人鬼アングリマーラと対話をするブッダの「お前はしあわせか?」というくだりと、その後改心・出家し、ブッダに「街へ行きたい」という所は、泣けてきた。アングリマーラもさることながら、王や被害者家族、スジャータなど、周りの方々のこころの動きと、ブッダとの対話がすごくすごく深い。とは言え、悪しき連鎖を断ち切ることは本当に本当に難しい。Rちゃんを殺した彼らを許さないMさんのお気持ちを思うとき、私はただ立ち尽くすだけだ。
色々な意味で、ものすごく深い本だった。