聖母マリア からへ / 竹下節子

聖母マリア (講談社選書メチエ)

聖母マリア (講談社選書メチエ)

まずはマリアが選ばれてヨセフの妻になるシーンや、あまり目だった話がないヨセフとかを、ものすごく現実的に分析していて、面白がりながら読んだ。コーランの第19章はマリアに捧げられているとか、プロテスタントの当初はマリア信仰を排除していなかったとか、割りにおどろくことばかり。宗派の違いは手段のちがいで、いきつくところは皆同じなのか。この本を読む限り、マリア様はキリストとアプローチが全く違うことがよく分かる。いまも世界中に起きているマリアの奇跡もそのひとつだろう。本書にあるような「キリストと自分との取次ぎ」ではなく、同じ女として憧れている私なのでる存在のである。