新しい風土記へ / 鶴見俊輔

新しい風土記へ 鶴見俊輔座談 (朝日新書)

新しい風土記へ 鶴見俊輔座談 (朝日新書)

鶴見さんが独自の視点で選んだ対談相手って感じ。中村岳志さんとの対談はちょっとショック。東京裁判でのパール判事、決して日本が無罪だっつーことでなく、ガンジーに通じる平和主義者で戦争が嫌いだからだったとは。ゆがめられた考えを自分も持っていたことに嫌悪。
池澤夏樹さんとの対談では、外からみる視点が大事なのだと痛感。外の国に住まうことのない自分は、いかに客観的な視点を持てばいいのか。ちかごろ日本にも自分にもうんざりしているので、微妙に落ち込んだりもした。「あいまいな日本の私」だ。
対談者に対する鶴見さんの事前調査(?)はすごい。相手の本をかなり読み、さまざまに詳しい。亡くなる前に姉・鶴見和子さんから言われた言葉もすごい。すごいすごい。