夫・遠藤周作を語る / 遠藤順子, 鈴木秀子

夫・遠藤周作を語る (文春文庫)

夫・遠藤周作を語る (文春文庫)

遠藤さんの奥様と、シスター鈴木の対談本。遠藤さんの作品は大好きだが、Privateのことは殆ど知らなかったので一気読み。作品の通り、厳しくも茶目っ気があって優しくて、とても魅力あふれる方だったのだなぁ。長年連れ添った奥様が「惚れた相手と一緒にいられたことは幸せ」と言い切っちゃうのはすごい。羨ましくもあり、胸が痛くもあり。
ちと驚いたのは、「沈黙」が物議をかもしたということ。一部の方々なのだろうけれど、他の考えを認めないキリスト教徒の排他性って何なのかなあと思う。「キリスト教ハンドブック」冒頭の遠藤さんの文章にみるようにな心のしなやかさって、とっても大切だと思う。そうして考えていくと、遠藤さんて、戦っていたのだな、と痛感した。