「気骨」について / 城山三郎

対談集「気骨」について (新潮文庫)

対談集「気骨」について (新潮文庫)

プライドについて、先日友人と話をした。高いのは自由だが、それが仕事の上長だったり、影響力のあるところで発揮されると非常に難儀する。五臓六腑をパカッと開き「必要なのは持ってってー」というタイプの友人と私は、「自分の仕事のクオリティに対するそれは大切だが、自分を守るためだけの小さなプライドなら無い方がいい。でも気骨は必要だ。」との結論に達した。そう、時代は(というか私たちは)キープ・オン・気骨。
本書は、冒頭の澤地久枝さんの対談から、頭をガツンとやられる。「本来の自由主義は、他の大義を認めるものだが、普通の大義は、他の自由を認めない。」他の生き方を認めない風潮は、日常生活の中にもゴマンとあるが、それが国レベルだったら楽々クリティカルな事態になりえる。加えて真面目実直な国民はファシズムにいきやすい。自分もあそびがないタイプのため、自重自戒としたい。そして中津留大尉の「指揮官たちの特攻」は、ちかぢか読まねばならない。最終章の佐野洋氏・吉村昭氏との対談、佐高さんの解説はとても楽しみ。ケチりながら読む予定。
ちなみに虎ノ門書房でかけてくれたカバーロゴがレトロでかわいい。いつもはお断りするのだけれど、こういう楽しみもあるのだな。