いま、この人を見よ! / 佐高 信

いま、この人を見よ! (知恵の森文庫)

いま、この人を見よ! (知恵の森文庫)

この本、同名の書と「変わり者が日本を救う」を再編集し、文庫化したものらしい。総勢40名ちかくの方々が紹介されているのだが「こんなにも魅力ある方々がいるなんて!」、面白すぎて一気読み。筋の通って揺るがない三木睦子さん、日米友好の懸け橋となったフレッド・和田勇さん、必ず弱みを突く毒画家 高橋春男さん、サリン事件で犯人にされた河野義行さんなどなど。総じて、ぴしっとした姿勢を感じる方々ばかり。自分はまだまだ揺れ揺れでヤワすぎだなーとも思う。自分と比べるなんて誠に僭越っすけど。
でもって三田線車内で吹き出したのは、中村吉右衛門さんのページ。

吉右衛門はロケの合間に墓碑などを見る。ちょんまげ姿のままである。すると、観光客の目には奇異に映るのか、修学旅行の学生たちに出会うと一斉に指を差され「アッ、ほら、あの人よ!なんだっけ!あああの!」と連呼される。彼としては「吉右衛門だ」とか「鬼平だ」とかの声を期待したのだが、ある時返ってきたのは「江戸の人だ」だった。

妙にツボにハマり、日比谷〜神保町まで必死に笑いを堪えた自分。辛かったー