「R25」のつくりかた / 藤井 大輔

「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)

「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)

R25」と言えば、駅で手に取ってしまう無料冊子。あれは知恵と工夫の結晶だったんだなぁ。本音を語りたがらないM1世代(20〜34歳男性)の本音に近づくために工夫したアプローチ、素人感覚の温度を大切にした記事づくり、世代の揺れを網羅したタイトル決め、タイムラグを味方にとった時事物など、R25が「さまざまな知恵と工夫の総集編、しかも成長中」ってことがよくわかる。それもひとえに、プロジェクトの方向性がぶれず、柔軟性をもっていたからなんだろうな。
プロジェクトって、方向性が一歩間違えばバラバラになるし、イニシアチブを取るひとがブレると出来上がるモノもヒトもブレる。結果、収集がつかなくなり、適当なところを落とし所にしがちだ。少なくとも私はそういう場ばかりだった。しかし、全方向から考え、様々な意見を見聞きし、微妙な温度を感じ、色々ないろいろを救いあげて形にした、ある意味、理想のプロジェクトって感じだ。実際は泥くさいことも沢山あったんだろうけれど、それでも一媒体として世に出てるってことは、結果すごいことなのだ。
仕事の上でも色々参考になったなー。特にターゲットのリサーチの仕方とか、考え方とか。実に読んでよかった。淡々と書いてあるところもイイ。