女装する女 / 湯山 玲子

女装する女 (新潮新書)

女装する女 (新潮新書)

タイトルを見て一瞬ギクッとするのは私だけじゃないだろう。こりゃあ面白かったなぁー!著者は女性なのだが、「スピリチュアルな女」「ロハス、エコ女」とか、イマドキの女性をものすごく冷静に分析している。それらにはマンガや歴史、友人の言葉などの裏付けが厚みとなって、すごい奥行き。言い得て妙。作家ってすごいなぁーと感心しきり。
ワタシ的に一番面白かったのは「デイリーエクササイズな女」。毎日数キロ歩き、ビリーにハマり、ジョギングをするという、ハードなものにハマりがちなのは「何の予定もない週末、TVダラ見して冷凍ピザか何かでお腹を満たして(中略)自分の身体を忘れてしまうような事態への(中略)根源的な恐怖が私たちをして、ジョギングシューズを履かせ、また、ヨガに走らせる。身体を意識することは、生やその先の死を生生しく感じることでもある。デイリーエクササイズはそのもっとも有効な処方箋なのだ。」のくだりは超納得。やってないけど。
「時代とともに変わっていく女」を味わうならオススメな本。関係ないけど、なんか逞しい女性たちにどこか励まされて勇気が出ちゃった。著者は意図してない(と思われる)効果が、図らずも私にはあった。あははー。