ハゴロモ / 吉本ばなな

ハゴロモ

ハゴロモ

帯にある通り「静かな回復の物語」。主人公ほたるが、雪降る故郷で自分を少しずつ取り戻す姿は、とても共感できた。見慣れた街、親しんだ空気、変わらぬ人々。故郷って独特の波長があるのだ。その波長が自分に元々備わっているからこそ、帰ると日頃溜まっていた澱みたいなものに気づく。そして知らず知らずのうちにresetされ、帰りの電車で穏やかさが帰ってきた自分に気づく。故郷には、そんなちからがある。
なんだか、とてもタイムリーだったなぁ。すっかり実家へ帰りたくなった。はやく年末にならないかな。