乙女心注入サプリ / 佐藤 真由美
- 作者: 佐藤真由美
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2007/10/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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中でも印象に残ったのは、伊勢物語(p56)。
伊勢物語の男は、三年戻ってこなかった。その間、言い寄る男に「三年待って」と断り続け、ついに結婚する三年目の夜、女の戸を叩いたのは、新しい夫でなく戻ってきた男。戸をあけられない女が
「あらたまの年の三年(みとせ)をまちわびてただこよひこそ新枕(にゐまくら)すれ」
(三年間待ちわび続けて、とうとう今夜ほかの男と初夜を迎えるところなのです)男が返したのが
「梓弓ひけどひかねどむかしより心は君によしにしものを」
(あなたがわたしの気を引こうと引くまいと、ずっと私はあなただけなのに)その後 男は去る。女は、去った男を追いかけた途中に転んで死ぬ。
そんなんアリ???ってくらい悲劇なのだけど、追いかけ途中で死んだ女は幸せだと、死ねなかった私は思う。っても結局男は身勝手だということにして、私は待たないことにした。