花のいのち / 立原正秋

花のいのち (新潮文庫)

花のいのち (新潮文庫)

美しい日本語を読みたくて、久しぶりに開いたら感じるところが多く、色々と考えてしまった。
結婚後も女性と切れない夫のきもちも分かるし、窈子が織部に傾いていくきもちも分かるし、織部とあたたかな家庭を築いていこうとするきもちもわかる。以前読んだ時に比べ、胸が痛いところが増えた気がする。
一番涙が出そうになったのは、織部亡きあと、妊娠してるのが分かったこと。女の幸せって、大好きなひとの子供が産めることだと思う。私には叶えられなかった夢。電車の中で涙が出てしまった。ほんとうに、うらましかった。