リンさんの小さな子 / フィリップクローデル

リンさんの小さな子

リンさんの小さな子

こ、これはちょっと・・・言葉にできない。読んだあと、暫くぼぉっとしてしまった。
悲惨な背景を背負ってフランスにやってきた老齢リンさんと新生児の孫サン・デュウ、そして妻を亡くし悲しみにくれるフランス人バルクとの交流は、最後まで幸せ感がある。言葉を越え、国境を越え、人として本当に大切なものは? この世で一番大事なものは? 淡々とした物語が、その問へ静かに導いてくれる。
この本に出会えて私は幸せだった。心の底から、そう思った。