ローマ教皇とナチス / 大澤武男

ローマ教皇とナチス (文春新書)

ローマ教皇とナチス (文春新書)

ピウス12世とナチスとの、狭義の話題が多かったのは残念。ナチスに反対していたドイツの神父たちなどの様子も、もう少し掘り下げて欲しかった。
とはいえホロコーストの前後におけるローマ教皇のスタンスが分かったのはよかった。ピウス12世が沈黙に終始したのは、ある意味仕方無かった感もあるが、批判されてもやむなし。以前見た映画「ホロコースト-アドルフ・ヒトラーの洗礼-」のように、バチカンに何度進言しても断られ、結果自ら収容所へ行って亡くなった神父も実際のところ居ただろう。宗教の前に結局組織なのかよ?とも考えた。