善き人のためのソナタ

善き人のためのソナタ スタンダード・エディション [DVD]

善き人のためのソナタ スタンダード・エディション [DVD]

これはすばらしい作品だった。監視組織に属するヴィースラー大尉の心が静かに変わっていく姿には言葉も出ない。その、人の心を変えてしまうソナタ、ひいては「芸術」の持つ力の大きさを改めて感じた。なお、主演ウルリッヒ・ミューエは既に彼岸の人とのこと。殆ど変わらない表情の中に、変化を感じさせる目。すばらしい演技なだけに、とても残念。いや、本当に素晴らしかったよ。

壁崩壊前の東ドイツの様子も、社会主義体制というものが「誰も幸せにならない」ということも良く分かった。とりわけ知ってよかったと思うのは、ドイツという国の偉さ。

  1. 東ドイツ時代の情報を開示していて、個人が閲覧できるということ。
  2. 実際この映画を学校教材として推奨しているということ。
  3. 監督が1973年生まれという若さ。

ホロコーストについても責任をしっかり認めた国。民度の高さ(という言葉が適切か分からないけれど)を感じた。