おめでたい日本人に教える虐殺の歴史 / 小滝透

おめでたい日本人に教える虐殺の歴史

おめでたい日本人に教える虐殺の歴史

小滝さんの本は以前も読んだけれど、視点がさすがで、読んでいても安心感がある。本書も非常に勉強になった。

こうして虐殺史を振り返ってみると、宗教の力ってどんだけ??と改めて思う。コロンブス然り、奴隷制度然り。中でも十字軍の残忍さには驚いた。9.11後ブッシュ大統領の演説に「十字軍」と出た理由も、それに対しイスラム圏が大きく反応したのも分かった。歴史は終わっていないんだな。
ホロコーストについては、当時のドイツ人の暮らしを考えると、「世の中変える」ゆーヒットラーを応援するのも無理はないような・・・(ホロコーストは史上最低最悪だけれど)。そして国家を持たない流浪の民ユダヤ人がイスラエル終結し、隣国と命を賭してまでも戦うのも無理ないような・・・。どれも必ず、理由があるものだ。
世界はそんな流血の歴史の積み重ねだけど、片や日本は素晴らしく守られているし、平和だし、善い人たちだ。でも世界は刻々と変わっている。その素晴らしさが仇となりつつある昨今、人ごとでなく「ガンバレ ニッポン!」と思うのは、私だけではないだろう。